目の前に、自分のドッペルゲンガーが現れたらどうしますか?


1.発見

2.驚愕 3.激怒 4.推敲 5.投函
6.依頼 7.越権 8.経過 9.調査 10.偶然
 
1.発見


「実は双子なん?」

友人Jから、突然のメール。常にネタ探しな日々を送る僕が、そんなオイシイ事実を手付かずにしておくはずがない。

「いや、実は三つ子です。今まで黙っててごめん」

イッツ、ジョーク。
しかし彼女のメールには、こう書かれていた。

「ハナコウェスト見て! キャラかぶってる人がいる」

ちょうど発売されている2006年5月号の特集に「関西いい男カタログ50人!」という企画があり、どうやら僕にキャラがかぶった、要するに「似ている人」が載っているらしい。テンションの高い彼女に気圧され、渋々ハナコウェストを手にすることにした。

「昨日、東京で見かけたよ」なんて、どっぷり関西在住の僕に友人からメールが来たりするくらいだから、僕はわりと「よくある顔」の部類。もちろん「いい男」とも程遠い。何の冗談かと思い、当の雑誌を手にしたのである。

ところが、である。

僕の脳髄に、稲妻がドカン。心臓が止まりそうな、時空間が張り裂けそうな。気軽にめくった雑誌のページには、なんと、僕のドッペルゲンガーがいたのである。

 

エントリーNo.13
 
名前 Sさん(※雑誌には本名あり)
年齢 27歳
身長 170cm
体重 64kg
出身校 関西学院大学
似ている有名人 城彰二(サッカー選手)
好きなタレント 菅野美穂

 

友人Kからもメール。

「年齢もキャラもかぶってるけど、顔のつくりまでかぶってるとは何事だ。違うのは名前くらいじゃないか」

顔の輪郭はやや丸く、目は一重。髪は直毛で、太い眉毛が印象的。見た目はまさに、僕のドッペルゲンガー。

ドッペルゲンガーとは、生きている人間の霊的な生き写しを意味する。自分の姿を第三者が見たように見えてしまう「現象」のことを指すこともあり、オカルト路線で語れば幽体離脱と物質化現象の結果という説もある(ウィキペディア参照)。

興味深いのは、この一文。

『「ドッペルゲンガー」現象を体験した場合には「その者の寿命が尽きる寸前の証」という民間伝承もある』

要するに、その姿を見た者は、死ぬ、のだ。笑い話を通り越し、軽い戦慄を覚えた僕がいた。がしかし、そこはネタ探し人生。

今年も海へ行くって、いっぱい映画も観るって、約束したじゃない、あなた約束したじゃない。

会いたい。

2.驚愕


僕のドッペルガンガーことSさんの職業は「映画宣伝マン」。映画配給会社の大手「ギャガ・コミュニケーションズ」に勤務するお方らしい(雑誌掲載のプロフィールより)。

「やってることまで微妙に似てるなあ」

再び友人Jからメール。そう、僕は「西宮に映画館をつくろう」をスローガンに映画上映会を開催する団体を主宰していた。今では上京に伴い代表の座から退いたが、映画に賭ける思いは並々ならぬものがある。つまり、僕とSさんとの間には「映画」という共通項まで存在しているわけだ。

その他のプロフィールも、まさに驚愕。

出身大学が同じで、年齢も同じ。驚くことに、同級生だったらしい。3000人もいたから知らなかった。もしも彼が浪人していれば、現役で入学した僕と学年が異なる可能性はあるが、1年留年した僕となら確実にどこかですれ違っているはず。

そして彼、顔のみならず、身長、体重のデータも僕と瓜二つ。

極めつけは、好きなタレント。菅野美穂。姿形が似ると、女性の好みまで似てしまうのだろうか。

断言しよう、これは「事件」だと。ほぼ日刊イトイ新聞の「田中宏和・年賀状の軌跡。」というコンテンツで同姓同名の3人が対面した企画を思い出すが、僕の場合、それを上回る。なにせリアル・ドッペルゲンガーが現れたのだ。これを事件と呼ばずして何と呼ぼう。

そして僕は確信した。彼と対面せねばなるまい、それが僕の使命である、と。

3.激怒


ハナコウェストで特集されていたページ「関西いい男カタログ50人!」の最後に、こんなコーナーを発見した。

 

アプローチ・レター募集します!

幸せになるお手伝い。好みの男性へのお手紙を編集部が届けます。

今年も読者の皆さんからアプローチ・レターを募集します。お気に入りの男性を見つけたら、右のアプローチ・チケットと、男性への手紙を同封して、編集部あてに送ってください。手紙は未開封のまま、男性にお届けします。

 

アプローチ・レターなどとオブラートに包んでいるが、要するにラブレター。雑誌で見つけた意中の男性に手紙を送れるという仕組みだ。

本企画を担当したライターさんが、あとがきでこんなことを書いている。


『で、さらにびっくりしたのがこーんなにも男前なのに、みんなやたらと彼女がいないこと。
(中略)
仕事ばかりで出会いがない人が多いのだ。これはチャンス! 応募するしかないのである。実際のところ、昨年の「いい男」たちもアプローチ・レターをくれた女性と、実際お付き合いしているとの複数情報が』


……僕は今、怒りにうち震えている。

もはや「そっくりさん」を超越した自分の分身、ドッペルゲンガー。であるならば、なぜ僕が雑誌に取り上げられないのか。僕こそ「いい男」ではないのか。なぜ将来のお嫁さんからアプローチされる権利が彼にはあって、僕にはないのか。

雑誌のページをパタンと閉じ、心を落ち着ける。そして静かに誓いを立てた。

「会って証明してみせる。僕の方がいい男であることを」

僕は彼に「アプローチ」を試みた。

4.推敲


「男ですみません」

そんな書き出しの手紙にしようと思っている。

本来、男性は女性から手紙をもらうのが普通。同性に支持される「オトコマエな女子の先輩」だったら、女子高時代に似たような経験があったかもしれない。

しかし断言できる。男子校に通っていた僕から言わせれば、男同士でそんなことは皆無であると。

受け取る側も嬉しくなる「後輩の憧れの眼差し」も、男の場合は単に気持ち悪いだけ。同性愛は否定しないが、それが世間一般の男の感覚だ。

ここは冒頭から「男です」と身分を明らかにし、なおかつ「すみません」と下手に出る方が賢明だろう。僕なら、散々文面読まされて「実は男なんです、てへ」なんて内容だとしたら、怒髪天を衝く。シュレッダーで断裁し、マッチで火あぶりにし、跡形もなくすだろう。あっはっは、見ろ、人がゴミのようだ。

Sさんは、氏名も勤務先も雑誌で明かし、個人情報を大公開するというリスクを背負った上に、意味不明の男からアプローチされることになるのだ。ここは言葉を選んで書き出さねばならない。

そして文末まで、1ミリたりとも気を抜けない。書き出しを無事クリアしたところで、読んでるうちにゴミ箱行きにされる可能性もある。「会いたい」という熱い思いを伝えるためには、穏やかな調子で言葉を綴らねばならない。そう、アブナイ人と勘違いされないように。

結局、僕は生まれて初めて書く「ラブレター」に、3日も推敲した。書いては消し、消しては書き。甘酸っぱい青春時代を呼び覚ます。

史上初、己の分身への切なる思いを込めて。

5.投函


「よかったら、お返事くださいませ」

締めの言葉はごく普通だが、それまでの文中に「フック」はたくさん忍ばせてある。コイツと会わねばなるまい、そう思わせる言葉の仕掛けを。申し遅れました、わたくし本職はフリーのコピーライターであります。

 

Sさんへ


男ですみません。
フリーでコピーライターをやっている、松岡厚志と申します。

ハナコウェストの「関西いい男カタログ」を拝見し、あなたを「僕のドッペルゲンガー」と見込んでお手紙させていただきます。突然の、失礼な物言いですみません。

恐縮ですが、僕のプロフィールを見ていただけますでしょうか。

 

名前 松岡厚志
年齢 27歳
身長 170.4cm
体重 64kg
出身校 関西学院大学
似ている有名人 城彰二(サッカー選手)
好きなタレント 菅野美穂

 

つまり、Sさんと僕とは「身長が0.4cmしか違わない」ということになります。城彰二に似ていることからも分かる通り、顔も驚くほど似ています。友人から「双子だったの?」と問い詰められた次第です。

一方、Sさんが雑誌に取り上げられたことを、内心嬉しく思っています。なぜなら「いい男」として特集されているSさんを見て「あ、やっぱり僕もいい男だったのか」と長年の胸のつかえが取れたからです。ありがとうございました。

積もる話はこのくらいにして、ひとつ提案があります。
ご都合よろしければ、一度、お会いしませんか。

私事なのですが、実は5月いっぱいで関西を離れ、仕事で東京に引っ越します。そして今、僕が関西でやり残した唯一のことは「Sさんにお会いすること」だと思っています。本当に、この世にドッペルゲンガーがいるのかどうか、その真実をお互い確かめたくはありませんか。それは、我々にしかできないことだと思うのです。

最後に言い忘れましたが、僕は以前「西宮に映画館をつくろう」という活動を主宰しておりました。思い出の地・西宮の浜辺や商店街、カフェやスナックなんかで映画を上映していたのです。廃墟となっていた西宮北口駅前のスイミングプールでもスクリーンを特設し、上映会を開いたんですよ。上京するに伴い、代表の座を後任に譲る形にはなりましたが、映画業界に携わるSさんとはシンパシーを感じずにいられません。

妙な手紙で失礼しました。お会いできた暁に、同級生らしく敬語を取っ払った仲になれたら幸いです。よかったら、お返事くださいませ。


松岡厚志
090-XXXX-XXXX
XXX@XXXXX.com

 

手紙のポイントは、下記の通り。

【興味を誘う】
・真実を確かめませんか、と心躍る点をアピール
・敢えて顔写真を同封せず、想像を膨らませてもらう

【親近感を持たせる】
・プロフィール以上の共通項(映画)をアピール
・くすりと笑える要素を文中に盛り込む

【緊急性を感じてもらう】
・近々、上京する事実を伝え、時間がないことをアピール

【その他ポイント】
・会うことを「お願い」せず、対等のポジションを確保
・思いが伝わりすぎる手書きではなくタイピング

 

ポストの向こうに、僕のドッペルゲンガーがいる。

6.依頼


大スクープを持ち込んだ友人Jから、再びメール。

「ナイトスクープに依頼したら?」

この人は、何と発想が豊かなのだろう。というか「面白いとは何か」を心得ている。そして、他人をプロデュースする能力に長けている。尊敬に値する。

ただし「生き別れの双子に会いたいと依頼すれば?」という彼女の案は、僕なりにアレンジさせていただく。面白さを見つける能力は並だが「どうすればもっと面白くなるか」については僕の得意分野だ。

テレビ局には就職できなかったけれど(記念受験)、テレビ番組の1コーナーくらい勝ち取ってやる。それも、常に視聴率20%を超える関西のお化け番組『探偵!ナイトスクープ』くらいがちょうどいい。

さっそく僕は、ライター生命を賭けて依頼文をしたためた。


 

西田探偵局の皆さん、こんばんわ。突然ですが、僕は今、死ぬかもしれない恐怖に怯えています。

皆さんは「ドッペルゲンガー」というのをご存知ですか?
世界のどこかにいるという自分の分身のことで、その姿を見た者は死んでしまうとされています。

先日、ある雑誌で「関西に住むいい男」が特集されていました。なんとそこに、僕と瓜二つの男が載っていたんです。

顔が似ているだけではありません。身長、体重、似てると言われる有名人、好きなタレントに至るまで彼のプロフィールが僕と瓜二つ。しかも年齢、出身大学まで同じ。驚くことに、僕と彼は同級生だったらしいのです。

こんな偶然が世の中にあるでしょうか。まるで生き別れた双子のよう。これはもう、僕のドッペルゲンガーとしか思えません。

そこで優秀な探偵の皆さんに、お願いです。恐らく世界で初めてとなる、ドッペルゲンガーと対面する決定的瞬間をカメラに収めて欲しいのです。

そしてもし、彼の姿を見ても死なずに済んだら、彼よりも僕の方が「いい男」であることを証明させてください。僕の方がはるかに「いい男」です。よろしくお願いします。

 

岡部まりの吹き出す笑顔が、僕には見える。

7.越権


東京に来て一番悲しいことは『探偵!ナイトスクープ』が放映されていないことだ。

やしきたかじんがいないことも残念だが、ナイトスクープのない金曜夜は地獄に等しい。

こうした考え方は、何も僕に限った話ではない。多くの関西人が同番組を愛している。単身赴任先に録画したビデオを送ってもらったり、放映していない地域の人間に「布教」をしたり。その「無償の愛」の捧げっぷりは、阪神ファンを想起してもらうと分かりやすい。

だから当然のごとく、初の裏話本として刊行された『探偵!ナイトスクープ - アホの遺伝子』は僕も拝読済み。そこに描かれていたのは「関西のスピルバーグ」と著者(=同番組のプロデューサー)が呼ぶディレクターたちの奮闘ぶりであり、心揺さぶられたことは疑いようがない。

というわけで、僕は暴挙に出た。

番組視聴者からの投稿をいかに「料理」するか、が腕の見せどころであるディレクターに尊敬という名の挑戦をすべく、番組の構成を考えてみたのだ。

僕は依頼文とともに下記のような番組進行表を同封し、番組宛に郵送した。

 

番組進行表




内   容 交わされるセリフ
・会議室で探偵と依頼者が
 初対面
・依頼内容を説明する
・雑誌の特集記事を確認する
・卒業アルバムを確認する
「こんにちは」
「ドッペルゲンガー?」
「ほんまや、似てる」
「なぜ僕が特集されない
 んですか!」
「おった、こいつや」
「よし、会いに行こう」
・移動

 
「もしものために
 遺書を持ってきました」
・母校のキャンパスで
 緊張の対面
 ※BGMは『サイコ』
「は、初めまして」
「ショック死しなくて
 済んだな」
「僕の方がいい男ですよね」
「いや、僕の方が本物の
 いい男ですよ」
「じゃあ、お前ら勝負せえや」



【いい男対決1回戦】
勉強編
大学入試問題1本勝負
「いい男は頭がいい」
【いい男対決2回戦】
スポーツ編
100メートル走
「いい男は運動神経がいい」
【いい男対決最終戦】
女のカン編
美女10人による第一印象勝負
「要するに大事なのは
 性的魅力」
「経験豊富な美女達にどちら
 がいい男かを第一印象だけ
 で判断してもらおう」
・互いに勝負を称え合う
・名刺交換をする
「会えて嬉しかったです」
「改めまして、わたくし
 こういうものです」

 

越権である。

これは「素人」の権利を超越している。素朴な疑問を番組にぶつけ、出演時には純粋培養された天然のリアクションをする、それがナイトスクープにおける「素人」だ。

だが、頭では分かっていたが、僕は僕なりの愛情の示すことにした。

これが吉と出るか凶と出るかは分からない。しかしまあ何ですね、何事もチャレンジあるのみです、はい〜。


追伸:我が家のアンテナがかろうじて電波を拾う
   テレビ神奈川(tvk)で視聴できることが判明。
   これからは火曜23時に全神経を注ごう。

8.経過


あれから少し、時間が過ぎた。

編集部に送った「アプローチ・レター」は、本当に本人のもとに届いているのだろうか。

本人はきちんと手紙に目を通してくれたのだろうか。

文面から臭いたつ危険な香りに慄いているのだろうか。

そして、ナイトスクープは興味を示してくれなかったのだろうか。

「極秘資料」と書かれた封筒を朝日放送が危険物と見なし、開封することなく捨てたのではないだろうか。

あるいは、過去にあった「私に似た人を探してください」という企画とのバッティングによりボツとなったのか。

番組進行表がおこがましすぎたのか。

ともあれ、さらなるアプローチを試みたいと思う。

9.調査


純愛を純愛と見なさなくなった最近の世の中を憂う。

セカチューを筆頭に「純愛」がブームになり、それはつまり「フィクション」の範疇に追いやられたことを意味する。「純愛っていいよね」というメッセージは「この世にはもう純愛は存在しない」ということを認めていることと同義だ。

そしていつの間にか『タイヨウのうた』がセカチュー、いま会いに続く純愛三部作の完結編ということになっていて、完全に純愛は「消費」されてしまった。

だから、かつては純愛とされた行為も「ストーカー」という言葉で断罪される。「おっかけ」は「つきまとい」になり、「アプローチ」は「嫌がらせ」になり、「ラブレター」は「怪文書」となった。

相手に好意があればその限りではないが、もともと好意のある相手に情熱的な行動を取る必要はない。「なんとかしてお近づきになりたい」という情熱が、のちに笑い話になるような突飛な行動を引き起こすのだ。そしてそれを許せる「空気」が、ある年代までは確かにあったように思う。

今はどうだ。隣人を本気で信じきれず、周囲を他人事にし、相手の純粋さを額面通りに受け取れない。世知辛い、その一言だ。

だから僕は、世知辛い世の中の辛さを抑えるため、いやむしろ甘酸っぱくするため、純愛をキーワードに行動を開始する。純粋な「会いたい」という気持ちで、愛で、ドッペルゲンガーの連絡先調査を開始する。

なお、すでに雑誌にも掲載されているSさんの会社にはアプローチしないこととする。職場だけはご法度だ。常識的に不可侵のルール。


【ホームページ検索編】

ホームページを個人名で開設していれば、その存在はオープンだ。メールアドレスの表記もあるだろう。タレントやフリーランサーならともかく勤め人が本名を公開しているケースは稀だが、ここは万に一つの可能性に賭けよう。

早速グーグルで名前を検索。…653,000件ヒット。姓名ともにメジャーなため、同姓同名の人間が多すぎる。

苦肉の策で、アルファベットで検索。…449,000件ヒット。ダメだ、多すぎる。これではラチがあかない。ヤフーでも似たような結果だ。

会社名や出身大学名から絞り込み検索も行なったが、これといって本人らしき痕跡は見当たらなかった。


【SNS検索編】

本名を公開する人が劇的に増えた、ミクシィやグリーに代表されるSNS(ソーシャルネット・ワーキングサイト)なら、発見の確率は高い。しかも気軽にメールで連絡を取れる環境が整っている。

まずはミクシィで検索。

21人!

いるかもしれない、いるかもしれない。ひとりひとり「足あと」をつけながら、プロフィールを確認してみる。

しかしどうやら本人はいなさそう。現住所が関西でない人はまずアウト(だってSさんは「関西いい男カタログ」に載っていたのだから)。関西在住者に限定すると学生が多く、社会人でも年齢の合致する人がいない。すでに退会したユーザーも2人。残された可能性はプロフィール欄の情報不足で年齢や現住所が特定できない3人か。

続いてグリーで検索。

4人!

しかしこれまた残念。4人とも関東在住の方らしい。


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調査活動の成果をお伝えいたします。ミクシィで見つかった、可能性がゼロではない3名。

1.京都府在住、自己紹介は「後日記入」さん。
2.住所不定、自己紹介は「こんにちは。」さん。
3.住所不定、自己紹介は「サーフィン大好き!」さん。

さあ、アタック、っチャーんス!(博多華丸)

10.偶然


「あれ面白いよね、ロッテンマイヤーさんを探そうとかいうやつ」

違うから。それクララの世話役のおばさんだから。ドッペルゲンガーだから。

そんな感じで、密かに人気の高いこのコンテンツ。「アタックチャンスのその後はどうなったんですか」と、よくお問合わせをいただく。

残念ながら、アタックチャンスは空振りに終わってしまった。

3名の同姓同名さんに「見ず知らずの者からのメールで恐縮なのですが、Sさん本人であるかどうかを確認させてください」と連絡するも、返信なし。mixi上に「足あと」を残しまくり、せめて本人じゃないと言って、と言外のメッセージを発し続けたが、どうやら「返事するにも値しない」と思われたようだ。


失意にくれる僕。

どうしたものかとこの先の展開を嘆きつつ、ただぼんやりと上京先の自宅でテレビを観ていた。目に飛び込んできたのは、雑音交じりでかろうじて映っていた『探偵!ナイトスクープ』。僕の企画をスルーした憎き番組だ(うそ、大好き)。

岡部まりが、依頼文を読み上げる。

「突然ですが、私に似ている人を捜して下さい」

えっ?

ちょっと待って。僕、撮影されてないけど、企画が採用されたの? もしかして昔よくやっていた「ナイトスクープ視聴率調査」みたいに、放映中の時間に突然、家に押しかけるなんて展開? アドリブ効かないけど大丈夫かな僕。風呂上りだけど見せられる裸じゃないよ?


不安は杞憂に終わった。

依頼者は別人だった(当たり前だ)。そこまではいい。驚いたのは、なんと依頼者が「僕の知人」であったことだ。

ナイトスクープに出演したとは本人のブログを読んで知っていたが、まさか同じネタとは…。軽くショックですよ僕。

とはいえ、内容は面白かった。「いつも行く喫茶店のマスターが、どうやら別人と間違えて話しかけてくるので、本人と自分がどれだけ似ているのか確かめたい」というもので、マスターのキャラが良かった。別人に間違えられている依頼者と、マスターが勘違いしている人物の両親が「家族のふり」をしてお店を訪れても、やっぱりマスターは気付かない、という爆笑モノだった。


悔しいな。ドッペルゲンガーのネタをパクられたわけではなかったが、自分の知人が探偵手帳をゲットしたことが羨ましすぎる。

こうなりゃもう、Sさんと会えるミラクルに期待するしかない。

しかし今は、打つ手が見当たりませぬ。進展あれば報告するので、皆さま期待せずお待ちくだされ。

つづく。

2006.12.8
松岡厚志


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